住んでいる街を、観光客の目で見てみる。
そんな気分で、札幌駅から奥座敷・定山渓温泉まで、約30kmを自転車で走ってきました。
早朝の誰もいない大通公園。赤れんが庁舎に現れた野生のリス。まだ賑やかなすすきの。そして、山あいの温泉街で食べる、できたての温泉まんじゅう。
地元民でも「札幌ってこんな街だったのか」と再発見する、そんな夏の朝のお散歩ライドです。
今回のルート概要
- 出発:札幌駅(早朝)
- ゴール:定山渓温泉
- 距離:約30km
- 主なルート:国道230号をひたすら南下
- 立ち寄り:赤れんが庁舎 → 大通公園 → 時計台 → すすきの → 定山渓

急ぐ旅ではありません。観光客のつもりで、あちこち寄り道しながら走ります。
① 札幌駅 ― 人のいない朝から
スタートは札幌駅。早朝の駅前は、驚くほど人がいません。いつもは人波に飲まれる場所が、自分と自転車だけの空間になっています。

② 赤れんが庁舎 ― まさかのリスと遭遇
まず向かったのは、北海道庁旧本庁舎、通称・赤れんが庁舎。
残念ながら開場前だったので、柵越しの観覧です。それでも、朝の光に照らされた赤いレンガは美しい。


そして、ここで思わぬ出会いがありました。
なんと、庁舎前の赤れんがテラスに野生のリスが現れたのです。



札幌は、駅前でも野生のリスに会える街。住んでいるとつい忘れてしまう、この街の自然の豊かさを再認識した瞬間でした。
ただ、正直に言うと——リスが道路を渡っていくとき、少しヒヤッとしました。
車に轢かれてしまわないだろうか。無事に森へたどり着けるだろうか。
幸い、早朝で車通りはほとんどなく、リスは悠々と道を渡っていきました。
そして、ふと思ったのです。人も車も少ないこの時間だからこそ、リスは安心して姿を見せてくれたのかもしれない、と。
早朝の街は、人間だけのものではないのですね。この時間に走ったから出会えた光景でした。
③ 大通公園 ― 朝日とテレビ塔
大通公園では、朝日を浴びるテレビ塔が待っていました。


④ 時計台 ― 「がっかり名所」なんて、とんでもない
札幌観光の定番、時計台。日中は観光客で賑わうこの場所も、朝はご覧のとおり貸切状態です。

「日本三大がっかり名所」なんて言われることもある時計台。でも、少し歴史を知ると見え方が変わります。
建てられた当初、時計台は札幌で一番高い建物でした。大通公園のいちばん遠くからでもその姿が見え、鐘の音は街の隅々まで響いていたと聞いています。
今は高層ビルに囲まれてしまいましたが、その頃の札幌を想像しながら眺めると——がっかりなんて、とてもできません。むしろ、もっと大切にしなければと思うのです。
⑤ すすきの ― 朝でもさすがの夜の街
続いてすすきのへ。朝の街は静かだろう…と思いきや、まだまだ朝帰りの若者たちで賑わっていました。

山あいの国道230号を南下
市街地を抜けると、道は徐々に山へと入っていきます。

まわりは山、山、山。正直に言うと——熊が出るのではないかとヒヤヒヤしながら走りました。北海道ライドの、避けて通れない緊張感です。
⑥ 定山渓温泉に到着 ― 河童の街へ

温泉街に入ると、あちこちに可愛らしい河童の像が立っています。



定山渓は「河童の街」。きっと、豊平川が流れているからでしょう。
勝手な想像ですが——その昔、開祖の美泉定山(みいずみじょうざん)さんと河童さんが、仲良く温泉に浸かって、温泉たまごを食べていたのではないでしょうか。そんな空想が似合う、のどかな温泉街です。

⑦ 温泉まんじゅう「大黒屋」で開店一番乗り
定山渓に来たら、これを外すわけにはいきません。温泉まんじゅうの大黒屋商店。

ここ、とんでもない人気店で、いつも午前中のうちに売り切れてしまいます。
そこで今回は気合を入れて、開店時間の8時に一番乗りで入店。家族用に10個、そして足湯しながら食べる用に2個を購入しました。

すると——おばちゃんが、ひとつサービスしてくれました(笑)。
なんとうれしい。朝から走ってきた甲斐がありました。大黒屋さん、ありがとうございます◎


足湯 × 温泉まんじゅう = 最高
そして、この旅のクライマックス。定山源泉公園の足湯につかりながら、買いたての温泉まんじゅうをいただきます。
ところで、この公園に並ぶたくさんの提灯。実は「夏灯路(なつとうろ)」という期間限定のイベントなんです。
開催は6月1日〜10月31日。夜になると灯りがともり、温泉街が和の光で彩られます。今年は定山渓温泉の開湯160周年という節目の年でもあるそうです。
私が訪れたのは朝なので灯りはついていませんでしたが、提灯が並ぶ光景だけでも十分に風情がありました。この時期にしか見られない景色です。





熱い湯に足を沈めて、まだ温かいおまんじゅうを頬張る。この瞬間のために走ってきたと言っても、大げさではありません。
公園内には、開祖・美泉定山さんの像や、温泉たまごを作れる場所もあります。


番外編:北海道神宮のラジオ体操
おまけの寄り道。北海道神宮では、朝のラジオ体操が行われていました。

観光ガイドには載っていないけれど、こういう日常の風景こそ、その街のいちばん素敵なところかもしれません。
まとめ:住んでいる街を、観光客の目で
札幌駅から定山渓温泉まで、約30kmのお散歩ライド。
- 誰もいない早朝の観光名所
- 駅前で出会える野生のリス
- 朝でも元気なすすきの
- 歴史を知ると見え方が変わる時計台
- 熊にヒヤヒヤの山道
- 開店一番乗りの温泉まんじゅうと足湯
誰もいない大通公園も、静かな時計台も、道を渡るリスも——早朝に走ったから出会えた景色ばかりでした。
車ならあっという間の距離も、自転車なら「街の表情」がひとつずつ見えてきます。
観光客のつもりで走ってみると、住み慣れた街が違って見える。これは札幌に限った話ではないと思います。あなたの街でも、ぜひ。
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