「椎間板ヘルニアだけど、山に登ってもいいのだろうか」
そう思って検索されている方に、腰椎5番のヘルニアで入院した私の体験をお話しします。
先に結論から書きます。私はいまも山に登っていますし、登っている間、腰はすこぶる絶好調でした。
ただし、これはあくまで私の場合です。ヘルニアの状態は人によって大きく違います。再開するかどうかは、必ず主治医にご相談ください。
ヘルニアの後も、こんな山に登れています
私は、ヘルニアになる前から山に登っていました。そして入院を経たあとも、それは途切れていません。
藻岩山(毎年お正月)
お正月には毎年、初日の出を拝みに藻岩山へ登ります。入院した後も、これは一度も欠かさず続けられています。

「もう山は無理かもしれない」と思っている方に、まずこれを伝えたいです。私は登れています。それも、何年も続けて。
樽前山(昨年6月)
昨年の6月には樽前山に登りました。岩場はなく、歩きやすい山でした。

チセヌプリ(後半はほとんど岩場)
こちらは山の性格がまるで違います。後半はほとんどが岩場で、手を使う場面もありました。
この山の記録は別の記事に書いています。(チセヌプリ登山と五色温泉の記事はこちら)
それでも、ヒヤッとした瞬間はありました
腰は絶好調だったと書きましたが、まったく不安がなかったわけではありません。怖い思いをしたのは、岩場のチセヌプリでした。
ひとつは、濡れた岩で足を滑らせかけたとき。
「滑る」と思った瞬間に頭をよぎったのは、転ぶことではありませんでした。踏ん張りきれないんじゃないか——それでした。
もうひとつは、下りで足場が悪く、大股で対応しなければならなかった場面です。ここも少し心配になりました。
腰にくるのは「重さ」ではなく「予測できない一瞬」
登ってみて気づいたことがあります。
登りは、まったく平気でした。一定のリズムで一歩ずつ進むぶんには、腰は何も言ってきません。時間がかかっても、傾斜がきつくても大丈夫。
怖いのは、体勢を崩された一瞬のほうでした。滑りかけたとき。大股を出さざるを得なかったとき。予測していない力が、突然かかる瞬間です。
これは自転車でも同じでした。長い距離を走ること自体より、路面の段差でドンときたときのほうが腰に響く。(ロードバイクの腰痛が減った「サドルの高さ」と体重配分の話)
ただし、これは荷物が軽いからかもしれません
ここは正直に書いておきます。
私が「重さは問題ない」と感じているのは、そもそも重量を最低限にしているからだと思います。
もし何泊もかけて縦走するような、重たい荷物を背負う登山だったら——答えは「重量」になるのかもしれません。私はそれを試していないので、そこは分かりません。
日帰りで、荷物を絞った登山。その条件での話だと思ってください。
どの山でも共通してやっている3つのこと
1. 歩幅を狭く歩く
これがいちばん効いていると感じます。大きな一歩を、そもそも作らない。
歩幅が狭ければ体は常に安定していて、少し滑ってもすぐに立て直せます。意識しているのは「速く登る」ではなく「崩れない」でした。
2. ザックは軽く、中身は水分だけ
軽量のザックを選び、中身は水分のみ。重量は最低限に設定しています。
軽くする理由は、腰の負担を減らすためだけではありません。とっさに体勢を戻せる重さにしておくためでもあります。背中が重いと、バランスを崩したときに引っ張られてしまうので。
3. 休憩は「気持ちのいい場所」で取る
時間や距離で区切らず、眺めの良いところに来たら休む。それだけです。
我慢比べにしないこと。無理をしないための一番簡単な方法は、休みたくなる場所で休むことでした。

使わなかったもの
正直に書いておきます。
トレッキングポールは使いませんでした。チセヌプリは岩場が多く、手を使う場面があったからです。土や砂利の下山路が中心の山なら、また判断は変わると思います。
腰用サポーターも、今回は付けませんでした。自転車に乗るときは巻いていますが、登山では使っていません。
必要かどうかは、体の状態と、山の性格によります。私の場合はこうだった、というだけの話です。
まとめ:登れるかより、登り続けられる登り方か
ヘルニアで入院した私は、いまも山に登れています。腰はすこぶる絶好調でした。
でもそれは、歩幅を狭くして、荷物を軽くして、気持ちよく休んだからでもあると思っています。そして、重い荷物を背負う登山はまだ試していないから、とも言えます。
「登れるかどうか」より、「登り続けられる登り方かどうか」。
自転車のときも、同じ結論にたどり着きました。無理をしないことが、いちばん長く続く方法でした。
いつか、スノーボードを担いで
最後に、ひとつだけ夢を書かせてください。
いつかスノーボードを担いで、チセヌプリの頂上から滑り降りてみたい。
——重い荷物は試していない、とさっき書いたばかりなのですが。板を担いで雪の斜面を登るのは、たぶん今までで一番腰に厳しい登山になります。
それでも、あの斜面を自分の板で滑り降りられたら、どんなに気持ちがいいだろうと思うのです。
ヘルニアで入院したとき、「もう無理だろう」と思ったことはたくさんありました。でも自転車は140km走れるようになったし、山にも登れています。だったら、これもいつか。
そう思えること自体が、腰と付き合いながら体を動かしてきた、いちばんの収穫なのかもしれません。
→ 椎間板ヘルニアでも自転車に乗れる?悪化しない?|入院した私が再開までに踏んだ段階
→ ヘルニアで入院した私が、ロードバイクで140km走れるようになるまで
→ チセヌプリ登山と五色温泉|泊村の無人海岸で車中泊〜ニセコ雲海の絶景
→ 椎間板ヘルニアで入院→断酒へ|腰痛持ちが断酒を続けられた理由と体の変化
※この記事は個人の体験です。腰痛やヘルニアの症状は人によって大きく異なります。運動の再開や継続については、必ず主治医にご相談ください。




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