「椎間板ヘルニアだけど、自転車に乗ってもいいのだろうか」
「乗ったら悪化しないだろうか」
そう思って検索されている方に、椎間板ヘルニアで入院した私の体験をお話しします。
先に、いちばん大事なことを書きます。私は今、1日140kmを走れるようになりました。でも「誰でも大丈夫」とは言えません。再開の判断は、必ず主治医に相談してからにしてください。
そのうえで、私がどんな段階を踏んだのか。正直にお伝えします。
退院後1か月は、自転車どころではなかった
まず、当時の状態から。
私の場合は、腰椎5番(第5腰椎)の椎間板ヘルニアでした。
退院してから約1か月間は、日常生活もままならない状態でした。
朝、起き上がって重力がかかった瞬間、股関節の中をドライバーで抉られるような痛みに襲われる。そんな毎日です。
自転車に乗るなんて、とても考えられませんでした。「もう無理かもしれない」と思っていたわけではなく、そもそも考える余裕すらなかったというのが正直なところです。
再開のきっかけは、主治医のひとこと
転機は、退院から2〜3か月後の外来受診でした。
診察のとき、思い切って主治医に相談してみたのです。「自転車に乗りたいのですが」と。
返ってきた言葉は、こうでした。
「運動も大切です。リハビリがてら、少しずつ乗り始めても良いですよ」
この一言がなければ、私は今も乗っていなかったかもしれません。
ここは強調しておきます。自己判断で再開しないでください。ヘルニアの状態は人それぞれで、私に合ったことがあなたに合うとは限りません。まずは主治医に相談を。
いきなりロードバイクには乗らなかった
「乗ってもいい」と言われても、いきなり以前のようには乗りませんでした。
最初に選んだのは、別に持っていた折りたたみ自転車です。

なぜ折りたたみだったのか。理由は4つあります。
- コンパクトで扱いやすい
- サドルが低く、足をベタ付きにできる
- ふらついても、すぐリカバリーできる
- 小回りがきく
とくに大きかったのが、足がしっかり地面につくことです。

ロードバイクは、前傾姿勢で、サドルも高い。止まるときにはつま先立ちになります。腰に不安を抱えた体には、その「いつでも足をつけない感じ」が怖いのです。
折りたたみなら、いつでも足をつけて止まれる。この安心感が、最初の一歩を踏み出させてくれました。
折りたたみに乗ったのは、1〜2か月
再開から1〜2か月は、折りたたみ自転車だけに乗っていました。

距離を伸ばすことも、速く走ることも考えません。ただ「乗れている」ことを確かめるような時間でした。
ロードバイクに切り替えた、3つの判断基準
では、いつロードバイクに戻ったのか。私の場合、こんな状態になってからでした。
- スピードを出せるようになった
- 振動を受けても、腰に響かなくなった
- 30分程度、安心して乗れるようになった
とくに2つ目の「振動が響かない」は、大事な目安だと思っています。段差やマンホールを越えたときに、腰にズンとくるかどうか。これが消えたときに、次の段階に進める気がしました。
逆に言えば、この3つが揃うまでは折りたたみで我慢していたということです。焦っても、いいことは何もありません。
頻度は「週末だけ」
再開してからしばらくは、週末の休みの日だけ乗っていました。
毎日乗るという選択肢は、はじめからありませんでした。腰に不安があるうちは、休む日をしっかり作ることのほうが大事だと思ったからです。
「今日はやめておこう」のサイン
そして、これが一番お伝えしたいことかもしれません。
私には、乗るのをやめる基準があります。
- 振動を受け止められないと感じるとき
- 腰への響き方が「病的」だと感じるとき
- 恐怖心が出るとき
3つ目の「恐怖心」は、感覚的な話に聞こえるかもしれません。でも、体が発している警告だと思っています。
実際、自転車に跨いだ瞬間に「今日はやめよう」と思って降りたことが何度もあります。
近所のスーパーへ向かう途中で引き返し、車に切り替えて出直したこともありました。
格好悪いでしょうか。私はそうは思いません。引き返せることも、長く乗り続けるための技術です。
そして今 — 1日140kmを走れています
あの「ドライバーで抉られるような痛み」から数年。
今の私は、しまなみ海道を走り、深夜の名古屋から伊勢神宮まで140kmを走り切れるようになりました。
もちろん、無理はしません。こまめに休憩を挟み、「楽しく走ること」を最優先にしています。
あのとき折りたたみ自転車から始めていなければ、今の自分はなかったと思います。
まとめ:段階を踏めば、道はあるかもしれない
私が再開までに踏んだ段階を、もう一度整理します。
- 退院後1か月 — 自転車どころではない時期
- 2〜3か月後 — 外来で主治医に相談。許可を得る
- まず折りたたみ自転車から(1〜2か月)
- 3つの基準を満たしてからロードバイクへ
- 頻度は週末だけ。休む日を作る
- サインが出たら引き返す
「ヘルニアだから、もう自転車は無理」——そう決めつける前に、まずは主治医に聞いてみてください。私のように「少しずつなら」と言ってもらえるかもしれません。
焦らず、段階を踏んで。あなたのペースで。
→ ヘルニアで入院した私が、ロードバイクで140km走れるようになるまで
→ ロードバイクの腰痛が減った「サドルの高さ」と体重配分の話
→ 椎間板ヘルニアで入院→断酒へ|腰痛持ちの体験談
※本記事は筆者個人の体験談であり、医学的助言を目的としたものではありません。椎間板ヘルニアの症状や運動の可否は個人差が大きく、必ず主治医にご相談のうえ判断してください。




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