前の日、私は石山緑地にいました。札幌軟石の採石場だった場所です。
そこの説明板に、軟石でできた建物として名前が挙がっていたのが札幌市資料館(旧札幌控訴院庁舎)でした。
翌日の夕方、その建物に入ってきました。

札幌軟石の建物としては、現存最大級

大通公園の西のはし、大通西13丁目に建っています。札幌軟石の建物としては現存最大級で、2020年に国の重要文化財になりました。

壁を見て、石山緑地を思い出しました

石山緑地の説明板には、石工の仕事がこう書かれていました。つるはしを振る回数は1日5万回。形を整える「野取り」では、角が欠けたらその石は全部使えなくなる。


目の前の壁は、その仕事が何千個も積み上がったものです。角のひとつも欠けないまま、100年ここに立っています。
→ 【札幌軟石】石山緑地は軟石の聖地|採石場跡の公園、朝6時のネガティブマウンドはラピュタの世界
中に入ります(入館無料)


刑事法廷展示室

映画やニュースで見る、そのものでした。

見学しながら、法にまつわる3つのものを思い浮かべていました。
- 正面玄関の、目隠しをされた法の女神
- 左右の、公平を表す天秤
- 奥の壁の、真実を照らす鏡
この3つは、正面玄関の上に彫られています。


見上げてから中に入ると、法廷の見え方が変わります。
裁く場所というのは、こういう形をしているのかと思いました。
札幌軟石のコーナー


石の仕上げの見本が並んでいました。うちの床や敷石の表情が、どの仕上げに近いのかを考えながら見ました。

石山緑地で説明板を読んだ「堀切り」「小割り」「野取り」の作業が、模型になっていました。


矢印が指しているのは、石山緑地そのものです。あの公園が、かつての採石場でした。
前の日に自転車で立っていた場所が、この地図では「札幌軟石採石場」と書かれている。公園と採石場が、同じ場所だと目で確かめられました。
札幌軟石は、北海道遺産になっています

展示の中に、こんな掲示がありました。札幌軟石は2018年に北海道遺産(第3回選定)に選ばれています。
選ばれた理由には、こう書かれていました(北海道遺産のホームページより、として掲示されていたものです)。
開拓使が廉価な不燃建築建材として軟石の使用を勧め、札幌の倉庫や商店の蔵などを中心に数多く普及し、北海道の産業と暮らしを支えた石文化として評価しました。今も、札幌市内最大の産出地であった石山地区では、採掘が続けられるとともに「石山緑地」として再利用されており……
選定の理由に、石山緑地の名前が出てきます。前の日に自転車で行った、あの場所です。
2階の木枠の窓から

この日、いちばん心が動いたのがここでした。
木枠の窓から外を眺めると、外国にいるのかと錯覚するような情景でした。昔ながらの窓ごしに見る軟石は、また違って見えます。とても素敵でした。
軟石のアロマストーンが、ガチャで売られていました

館内に、「札幌軟石 3wayアロマストーン」のガチャがありました。1回500円。「軟石や」という方が作って販売しているそうです。
私も、軟石をアロマストーンとして使っています。端材の中から形の気に入ったものを選んで、オイルを垂らすだけ。石が香りを吸って、ゆっくり広げてくれます。
同じ石が、同じ使われ方をしてガチャに入っている。「やっぱりこの石は、香りと相性がいいんだ」と、うれしくなりました。
→ 【札幌軟石】アロマストーンを手づくり|骨董市の鉄馬オブジェと組み合わせたインテリア
カフェでひと休み

館内のカフェでコーラを飲みました(250円)。
テーブルに置いてあったのが、イサム・ノグチ生誕100年の本。大判の本で、モエレ沼公園のことがたくさん綴られていました。ほかにもアート関連の本がたくさん置いてあります。
モエレ沼公園も、自転車で行った場所です。
→ 【札幌】モエレ沼公園のモエレ山に自転車で登った|原田マハの小説を読んで行きたくなった
裏にまわると、もうひとつの顔があります

正面の写真はよく見かけますが、裏の顔を見たことがある方は少ないと思います。
丸く張り出した壁、小さな入口、木漏れ日。こちらの顔も、とても素敵でした。
裏庭のイチイ(オンコ)

建物の裏に、大きなイチイの木がありました。北海道ではオンコと呼びます。

幹の中が空洞になっていました。病気なのかもしれません。それでも力強く、たくさんの葉を茂らせている。そのことに感動しました。
行ってみて分かったこと
- 入館無料です
- 館内の撮影はできます。事務室の方に確認しました。ただしいちばん奥の「おおば比呂司記念館」だけは撮影できません
- 私が行ったのは午後3時ごろ。観光客の方が多くいらしていました
基本情報

| 名前 | 札幌市資料館(旧札幌控訴院庁舎) |
|---|---|
| 所在地 | 〒060-0042 札幌市中央区大通西13丁目 |
| 電話 | 011-251-0731 |
| 公式サイト | s-shiryokan.jp |
| 建築年 | 大正15年(1926年) |
| 構造 | れんがと札幌軟石の組積造 |
| 指定 | 2020年、国の重要文化財 |
| 入館料 | 無料 |
| 開館 | 9:00〜19:00 |
| 休館 | 月曜(祝休日の場合は翌平日)、年末年始 |
※情報は2026年9月時点のものです。開館日や展示の内容は変わることがあります。お出かけ前にご確認ください。
石の道が、つながりました
石山で切り出されて、馬車鉄道で運ばれて、建物になった。
その道のりを、採石場の跡 → 玉ねぎ倉庫 → この建物と、自分の足でたどることになりました。我が家の床や敷石も、その道の先にある石です。
→ 【札幌軟石】旧沼田家倉庫|玉ねぎを収めた石の倉庫で、珈琲を飲む(宮田屋 東苗穂店)
→ 【札幌軟石DIY】石の加工方法|掘る・削る・穴を開ける・付ける、家の道具でできる6つの作品




コメント