シリーズ「ピカソを追いかけて」第2回。前回(#1)は国立西洋美術館で、念願だったピカソの油彩画「小さな帽子を被った座る女性」と対面しました。今回追いかけるのは、絵画ではなくピカソの陶芸。舞台は静岡県・熱海にある熱海山口美術館です。
この記事でわかること
- 熱海山口美術館の見どころと基本情報
- ピカソの陶芸作品を間近で鑑賞した体験記
- 抹茶・絵付け体験など、ここでしかできない楽しみ方
前回は輪行で自転車とともにめぐる旅でしたが、今回は自転車をお休みして、JRでのんびり熱海へ。目的はただひとつ、ピカソの陶芸作品に会うことです。

熱海山口美術館とは
熱海山口美術館は、2020年12月に開館した私設美術館。ルノワールやピカソをはじめ、日本画・書・工芸など約2,000点を収蔵しています。この美術館がユニークなのは、「みて、触れて、撮影OK」という方針。ガラスケース越しではなく、作品との距離がとても近いのです。入館料には陶器の絵付け体験が含まれ、人間国宝の器でいただける抹茶も人気です。
ピカソの陶芸と対面|お皿の上のイワシ3尾
ピカソといえば絵画のイメージが強いですが、晩年の約25年間、南フランスのヴァロリスで陶芸に没頭し、数千点もの作品を残しています。絵画とはまた違う、自由で遊び心に満ちた造形の世界です。
展示室で出会ったのは、イワシが3尾並んだお皿の作品。食卓のひと皿が、ピカソの手にかかるとそのまま芸術になってしまう。油彩画の前に立ったときの緊張感とはまったく違う、思わず頬がゆるむような出会いでした。これが間近で、自分のカメラで撮影できるのだから贅沢です。


そしてもうひとつ、思いがけない出会いが。岡本太郎の「座ることを拒否する椅子」です。「芸術は爆発だ」の太郎さんらしい、見る者に問いかけてくるような椅子。ピカソを追いかけてきた旅先で、ピカソに強く影響を受けた日本の芸術家と出会うとは。なんだか不思議な縁を感じました。
ここでしかできない体験|名器で抹茶、友人と絵付け
鑑賞の合間には、抹茶を体験。いただいた器は、人間国宝・三輪休和の萩焼茶碗です。美術館で「器を鑑賞する」のではなく「名器で味わう」という、ここならではの贅沢な楽しみ方です。


さらに、入館料に含まれる陶器の絵付け体験を友人2人と楽しみました。ピカソの陶芸を見た直後の絵付けは、不思議と筆が大胆になります。仕上がりはともかく、世界にひとつの記念品ができました。3枚の小皿のうち1枚には、もちろんあのイワシが泳いでいます。

おわりに:次回は地元・北海道でピカソに会う
油彩画、版画、そして陶芸。作品のかたちが変わると、ピカソの見え方も変わる。「みて、触れて、撮影OK」の熱海山口美術館は、ピカソの遊び心を体感するのにぴったりの場所でした。
次回の舞台は、なんと地元・北海道。岩内町の荒井記念美術館には、日本最大となる267点のピカソ版画コレクションがあるのです。ピカソを追いかける旅は、いよいよ北の大地へ。
シリーズ「ピカソを追いかけて」——世界中のピカソ作品を自分の目で見るという夢への旅、続きます。




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