【札幌軟石】石山緑地は軟石の聖地|採石場跡の公園、朝6時のネガティブマウンドはラピュタの世界

石山緑地のネガティブマウンド、赤い空の箱、石のアーチ、螺旋の水路 アート・DIY
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我が家の床と敷石と駐車場には、札幌軟石を使っています。

その軟石が、どこから来たのか。札幌市南区の石山緑地は、かつての採石場が、まるごと公園になった場所です。札幌軟石の聖地と言っていいと思います。

「石山緑地」と彫られた石の看板
「石山緑地」と彫られた石。南ブロックの入口です

札幌駅から自転車で13.2km、53分

今回は輪行ではなく、自走で行きました。

落ち葉の道に停めた折りたたみ自転車DAHON
相棒のDAHON。折りたたみでも十分に走れます

目安として、札幌駅からだと13.2km、自転車で53分です(Googleマップの案内)。DAHONのような小径車でも問題なく行けます。

札幌駅から石山緑地までの自転車ルート地図
札幌駅から石山緑地まで、約13.2km・53分(地図:Googleマップ)

駐車場もあるので、車でも行けます。

朝6時、ほぼ誰もいませんでした

着いたのは朝6時。人は、犬の散歩をしている方が2〜3人だけでした。

石山緑地の広場に点々と置かれた軟石のキューブ
広場に点々と置かれた軟石のキューブ

とても静かな空間でした。この広さを独り占めしているような時間です。

ネガティブマウンド——ラピュタの世界でした

石山緑地のネガティブマウンドの全景
ネガティブマウンド。採石場の壁に囲まれた、すり鉢状の広場

いちばん心が動いたのが、ここでした。

宮崎駿監督の映画「天空の城ラピュタ」の世界です。石の段が水紋のように広がり、壁がぐるりと囲んでいます。

ネガティブマウンドの石のアーチ
石のアーチ。くぐると、空間の意味が変わります
ネガティブマウンドのアーチを見上げる
アーチを見上げたところ

写真では伝わりきらないのですが、軟石の存在感が圧倒的でした。

芝生越しに見たネガティブマウンド
芝生の向こうに現れるネガティブマウンド

赤い空の箱と、スパイラル・スプリング

園内には、石の作品が点在しています。

赤い空の箱と削られた岩肌
赤い空の箱。奥には削られた岩肌が見えます

赤い空の箱は、ジャングルジムのような作品です。石の色ばかりの風景の中で、この赤がよく効いています。

赤い空の箱の格子
格子の中から
スパイラル・スプリングの石の塔
スパイラル・スプリングの石の塔

スパイラル・スプリングは、水と石の作品です。塔からこぼれた水が、芝生の上の螺旋の水路を流れていきます。

芝生を流れる螺旋の水路
芝生に描かれた螺旋。ここを水が流れます
スパイラル・スプリングの塔を見上げる
塔を見上げる

ベンチも、照明も、フェンスも、水飲み場まで作品として作られています。

水飲み場はアイアン(鉄)でできていて、軟石との相性が抜群でした。

鉄と石でできた水飲み場
アイアンでできた水飲み場
石山緑地の東屋に置かれた軟石のベンチ
東屋のベンチ。これも作品のひとつです

園内には、公園そのものを石に彫った模型もありました。

石に彫られた園内の模型
石に彫られた園内の模型

※作品名と園の情報は、さっぽろ観光公式サイトの紹介によります。1996年開園、広さ11.8ヘクタール。造形集団「CINQ(サンク)」が構想から設計に関わっています。

石工の仕事が、そのまま展示されています

石山緑地には、札幌軟石がどう切り出されていたかの説明板があります。これが、読みごたえのあるものでした。

札幌軟石の切り出しの説明板と展示
説明板と、石を運んだソリの展示
説明板「札幌軟石の切り出し 1.堀切り、つるうち」
説明板「札幌軟石の切り出し 1.堀切り、つるうち」

説明板から、いくつか書き写します。

  • つるはしを振る回数は、1日5万回。石工さんは1日に30〜40尺の溝を掘っていた
  • そのつるの跡は、今も壁面に残っている
  • ハンマーの柄にはヤチダモを使った。しなるので、手がしびれずにすんだ
  • 切り出した石は、その場で3才(1尺×1尺×3尺)に割る。まっすぐ割るには経験と勘が必要で、一人前になるまで5年
  • 形を整える「野取り」では、角が欠けてしまうと、その石は全部使えなくなる
  • 道具の先は鋼。石工さんはその日に使う道具を、毎朝早くから鍛冶場で鍛えていた

私は家の軟石をノミで削ったり、駐車場に石を並べたりしています。その何万倍もの仕事が、この壁の向こうにあったのだと思いました。

軟石の壁に残る小さな穴の列
壁に残る小さな穴の列。石を割るときの跡だと思います

※この穴が何の跡かは、現地に説明がなく分かりませんでした。推測です。

なぜ、石山で軟石が採れなくなったのか

同じ説明板に、採掘の歴史も書かれていました。

  • 明治4年(1871年)、開拓使のお雇い外国人アンチセル、ワーフィールドによって発見された
  • 翌年から、本州から石工が集まって採掘が始まった
  • 木造は火事になりやすいとして、開拓使が石造建築を推奨した
  • 昭和25年(1950年)の建築基準法で石積み建築が規制され、周囲が住宅街になるにつれ粉塵公害も発生した
  • 1970年代を最後に、石山地区では軟石の産出が見られなくなった
石山緑地の採石跡の壁と芝生
採石の跡が、そのまま風景になっています

馬車鉄道が、いまの市電になった

もう1枚の説明板に、驚く話がありました。

明治43年(1910年)、軟石を運ぶために「札幌石材馬車鉄道合資会社」によって、石山から南2条西11丁目付近まで馬車鉄道がひかれた。そしてこの馬鉄が、現在の市電に発展したというのです。

説明板には、軟石造りで残っている建物として札幌市資料館(旧札幌控訴院)、北1条教会、農業用倉庫が挙げられていました。

昨日、私が入ってきた旧沼田家倉庫も、その「農業用倉庫」の1つです。玉ねぎを収めていた石も、この石山から運ばれたのかもしれません。

→ 【札幌軟石】旧沼田家倉庫|玉ねぎを収めた石の倉庫で、珈琲を飲む(宮田屋 東苗穂店)

名前の分からなかったもの

芝生に丸い穴が並ぶ石の台
芝生に丸い穴が並ぶ石の台。名前は分かりませんでした

園内には、名前の分からない造形もありました。分かる方がいたら、教えてください。

イベントも行われている場所です

石山緑地では、キャンドルナイトや能面の舞台など、さまざまなイベントが行われてきました。

私はまだ、その日に行ったことがありません。あの空間に灯りがともったら、どんなふうに見えるのか。いつか行ってみたいと思っています。

石山緑地南ブロックの全景
南ブロックの全景

基本情報

名前 石山緑地
所在地 札幌市南区石山78-24外
開園 1996年
広さ 11.8ヘクタール
設計 造形集団「CINQ(サンク)」が構想から設計に関わる
電話 011-578-3361(藻南公園管理事務所)
駐車場 あり
自転車で 札幌駅から約13km・1時間ほど

※情報は2026年9月時点のものです。お出かけ前に最新の情報をご確認ください。

我が家の軟石も、ここから始まった石です

石山で採れなくなったあとも、札幌軟石は別の場所で採られ続けています。私が採石場から少しずつ運んできた石も、その先にある石です。

床にして、敷石にして、駐車場に並べて。切り出した人たちの仕事の、ほんの端っこを触らせてもらっているのだと思います。

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