我が家の床と敷石と駐車場には、札幌軟石を使っています。
その私が、玉ねぎのために積まれた軟石の倉庫に入ってきました。札幌市東区東苗穂の「旧沼田家倉庫」。いまは珈琲店「豆蔵珈房 宮田屋 東苗穂店」になっています。

旧沼田家倉庫とは
札幌市の「札幌景観資産」に指定されている建物です。
| 名前 | 札幌景観資産 第30号「旧沼田家倉庫」 |
|---|---|
| 所在地 | 札幌市東区東苗穂5条2丁目11-18 |
| 建築年 | 昭和37年(1962年) |
| 構造 | 石造平屋 |
| 指定 | 平成22年(2010年)7月21日 |
| いまの姿 | 豆蔵珈房 宮田屋 東苗穂店 |
| 中の見学 | お店の利用者のみ |
出典:札幌市「札幌景観資産」一覧
なぜ、玉ねぎの倉庫が軟石だったのか
この一帯は、かつて玉ねぎの一大産地でした。その玉ねぎをしまっておくのに向いていたのが、軟石の倉庫です。
この建物も昭和57年まで、実際に玉ねぎを収めていました。建物の前のプレートにそう書かれています。
このプレートを初めて読んだ日のことは、丘珠空港でカレーを食べた記事に書きました。
→ 札幌黄カレーが食べられる丘珠キッチン|丘珠空港で朝7時から、ミニカレー800円
外から見る:60年たった軟石の壁
見上げると、三角屋根の下に、丸に「沼」の字がありました。沼田家の「沼」です。


建ってから60年以上。石の表面には、ノミで刻んだ跡がそのまま残っています。

我が家の2階の軟石の床は、敷いてから20年です。20年でも、ひびが入り、小石が抜けたところがあります。60年たつと、こうなるのか——と、壁の前でしばらく見入ってしまいました。
中に入ると、壁も軟石だった
入口を入ると、まず目に入るのが自家焙煎の焙煎機です。ここの壁も、軟石でした。

今回は2階の、バーカウンターの席に座りました。

2階からの眺めは、すばらしいものでした。天井の梁と、むき出しの軟石の壁が、一度に目に入ります。
内側の壁にも、外と同じ軟石がそのまま使われていました。

思わず、手を当てました。

この肌触りは、札幌軟石です。うちの床と同じ感触がしました。最高でした。
三角屋根へ向かう、石のシルエット

2階の席から見上げると、軟石の壁が、三角屋根の天井に向かって伸びていきます。
石の壁と、木の天井がぶつかる角。このシルエットが、たまりませんでした。
2階のバーカウンターで、ティラミスと珈琲
いただいたのは、珈琲屋さんのティラミス(バニラアイス付き)と、宮田屋スペシャルブレンド。セットで1,380円でした。


メニューによると、宮田屋では自家焙煎した珈琲を、注文を受けてから一杯ずつハンドドリップしているそうです。
コーヒーもティラミスも、申し分ないおいしさでした。
店内の雰囲気も最高なので、軟石パワーで2倍、3倍おいしく感じられたと思います。
ジョン・レノンのカップが来た
メニューの冒頭には、こんな一文がありました。

どんなカップが来るのだろう。そう思って待っていました。
運ばれてきたカップを見て、驚きました。

ジョン・レノンのカップでした。
最近、原田マハさんの『丘の上の賢人 旅屋おかえり』を読み終えました。その本に出てくるのが、ビートルズの「The Fool on the Hill」です。それからというもの、この曲をずっと聴いています。
だから「来たか!」と、うれしくなりました。
こういうことが、不思議とやってくるんです。
この本を読んで、モエレ沼公園の「丘」に自転車で登った話はこちらです。
→ 【札幌】モエレ沼公園のモエレ山に自転車で登った|原田マハの小説を読んで行きたくなった
焼酎と黒ラベルと、鹿児島の新聞
バーカウンターには、九州の焼酎が並んでいました。

そして、西郷さんの絵が入ったサッポロ黒ラベル。明治維新150年(2018年)の、鹿児島の黒ラベルです。

雑誌のコーナーには、鹿児島の地元の新聞も置いてありました。
札幌の軟石倉庫に、なぜ鹿児島? はて、と思って、会計のときに伺いました。オーナーが九州のご出身なのだそうです。合点がいきました。
玉ねぎは軟石、りんごはれんが
札幌景観資産には、もうひとつ「沼田家」の倉庫があります。第16号の「旧沼田家りんご倉庫」(豊平区西岡)です。
こちらはれんが造。玉ねぎの倉庫は軟石、りんごの倉庫はれんが。中にしまうものによって、倉庫の材料が違うのが面白いところです。
※りんご倉庫には、私はまだ行っていません。情報は札幌市「札幌景観資産」一覧によります。
帰り道、もう1棟の軟石倉庫
お店を出て、車で数分走ったところで、もう1棟の軟石の倉庫を見つけました。

青い扉と、軟石の組み合わせがきれいです。

この倉庫も、玉ねぎ倉庫として使われていたのではないかと思います。ただ、これは私の推測です。個人の建物と思われるので、場所は伏せておきます。
「この一帯に、軟石の倉庫が数多く建てられた」。プレートのその一文を、また目で確かめることになりました。
→ その石が切り出されていた場所にも行ってきました。【札幌軟石】石山緑地は軟石の聖地|採石場跡の公園、朝6時のネガティブマウンドはラピュタの世界
基本情報
| 店名 | 豆蔵珈房 宮田屋 東苗穂店 |
|---|---|
| 建物 | 札幌景観資産 第30号「旧沼田家倉庫」 |
| 所在地 | 札幌市東区東苗穂5条2丁目11-18 |
| 電話 | 011-787-0707 |
| 駐車場 | あり |
| いただいたもの | 珈琲屋さんのティラミス(バニラアイス付き)+宮田屋スペシャルブレンド セット1,380円 |
※営業時間や定休日、メニューと価格は変わることがあります。お出かけ前にお店にご確認ください。
※店内の写真は、お店の方に掲載の許可をいただいて掲載しています。
札幌軟石の、ほかの記事
→ 【札幌軟石DIY】石の加工方法|掘る・削る・穴を開ける・付ける、家の道具でできる6つの作品
→ 【札幌軟石】うちの敷石は、黄金湯(小金湯温泉)の土台だった
→ 【札幌軟石】2階に石の床をつくった|30cm下げた「縁側」は素足が気持ちいい
→ 【札幌軟石】駐車場の石畳DIY|始める4年前から石を集めていた【構想・着手編】
→ その建物にも入ってきました。【札幌軟石】札幌市資料館は入館無料|旧札幌控訴院、現存最大級の軟石建築を見てきた




コメント