玄関に、世界にひとつだけの表札台を置きました。
材料は、札幌軟石。道具は、石ノミと玄能(げんのう)。電動工具はいっさい使わず、コツコツと手で彫った一点ものです。

今日は、その作り方をご紹介します。
軟石選びは、直感で
まず土台になる軟石選びから。
選び方に、難しい理屈はありません。「これいいな!」と一目惚れしたものを選ぶ——ただそれだけです。
大きさも形も、きっちり測ったりはしません。もし出来上がってみて「なんか違うな」と思えば、また別の石でやり直せばいいだけ。この気楽さが、軟石DIYの楽しいところです。
札幌軟石は柔らかく加工しやすいので、失敗を恐れずに手を動かせます。
石ノミと玄能で、溝を彫る
土台にする軟石が決まったら、いよいよ彫っていきます。
先に表札の板を用意しておき、その厚みに合わせて軟石に溝を彫るのがポイントです。板がぴったり収まる幅と深さを意識しながら、少しずつ削っていきます。

使う道具は、石ノミと玄能(かなづちの一種)。電動工具は使いません。
コンコン、コンコン——と、石ノミを打ち込んでは石を欠いていく。時間はかかりますが、この手作業の時間そのものが、なんとも心地いいのです。彫り進めるほどに、軟石ならではのざらりとした溝の表情が生まれていきます。

表札の板は、木彫りの要領で
土台と組み合わせる表札の板には、名前を彫り込みます。
彫り方は、木彫りの要領。文字の輪郭に沿って、ノミで少しずつ掘り進めていきます。
屋外に設置するものなので、仕上げは念入りに。クリア塗装をしっかり施して、雨風から木を守ります。そして、これで終わりではありません。毎年、クリア塗装を塗り重ねているのです。手をかけ続けることで、表札は少しずつ味わいを増していきます。
固定なしでも、びくともしない
ここが、この表札台の面白いところです。
表札の板は、彫った溝に差し込んでいるだけ。接着も、ネジ留めもしていません。
「それで倒れないの?」と思われるかもしれません。でも、これがまったく心配ないのです。
台風が来ても、大雪の大嵐に見舞われても、倒れず・飛ばされず、どっしりと鎮座してくれています。
軟石の重量と、彫った溝の深さ。このふたつがあれば、余計な固定はいりません。自然の重みだけで成り立つ構造は、かえって潔く、美しいと感じます。
玄関の、小さな風景
この表札台の周りには、ほかにも軟石の作品を並べています。
石を積み重ねたオブジェや、松ぼっくりを添えた小さな飾り——(※松ぼっくりのアクセサリーは、採石場の方からいただいたもので、これは手づくりではありません)。
そして奥にある陶器は、郵便受け兼新聞入れ。もともとは傘立てでしたが、蓋を工夫して郵便受けに作り替えました。
こうして少しずつ手を加えていくと、玄関先が、ひとつの小さな風景になっていきます。
まとめ:手道具でつくる、暮らしの中の石
札幌軟石は、電動工具がなくても、石ノミと玄能があれば十分に形にできます。
一目惚れした石を選び、板に合わせて溝を彫り、名前を刻む。固定はせず、石の重みに委ねる。そうして生まれた表札台が、毎日の玄関を少しだけ特別なものにしてくれています。
札幌軟石のDIYは、ほかにもいろいろ楽しんでいます。あわせてどうぞ。
→ 札幌軟石ハンドメイドアート入門|採石場の廃材で世界に一つの作品を作ろう
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