ロードバイクは、何年くらい乗れるものなのか。
私はGIANTの「TCR」というロードバイクに、16年乗っています。2010年に買ったものです。壊れたこともありますが、いまも普通に走れます。
カタログの話ではなく、実際に16年乗った1台の記録として書きます。
2010年6月27日、16万8千円で買った

手元に、買ったときの店頭タグが残っています。
¥168,000(本体価格¥160,000)。当時の消費税は5%なので、税抜16万円ちょうどでした。サイズは465mm(S)。フレームはアルミです。
保証書の日付は、2010年(平成22年)6月27日。札幌の自転車屋さんで買いました。

タグには「丈夫さ2、快適性1」と書いてあった
そのタグに、こんな表がついています。
| bike performance | |
|---|---|
| 軽さ | ■■■■■+1 |
| 丈夫さ | ■■ |
| 速さ | ■■■■■+1 |
| 前傾姿勢 | ■■■■■ |
| 快適性 | ■ |
分類は「ON-ROAD PERFORMANCE / Competition」。つまりレース向けの自転車です。
メーカー自身が「丈夫さは2です」と書いていた1台に、私は16年乗ることになりました。
2011年、札幌から東京まで走った

友人の結婚式がありました。どうしても、自分の力で行きたかった。
苫小牧からフェリーに乗りました。いつもの八戸行きが、その年は青森着の臨時便になっていました。震災の年でした。
青森から、岩手、宮城、福島、栃木、埼玉と南下して、5日かけて東京へ。被害に遭った友人や親戚にも会うことができました。信じられない話ばかりでしたが、ここには書きません。
いまでも忘れられないのは、福島のどこかで見た風景です。どこだったかは、もう思い出せません。山道をひた走り、下った先に、日本の原風景とも言えるような桃源郷が現れました。里山の、田んぼと畑が広がる、たぶん昔から何も変わっていないであろう景色でした。
なぜあれが忘れられないのか、いまでもよく分かりません。あれだけのことがあった中に、変わらないものが残っていた——そのことに、何かを感じたのだと思います。
5日目、お台場のホテルの前で、自転車を頭の上に掲げました。買って1年のTCRでした。
あれから15年、同じ自転車に乗っています。
16年で替えたもの、替えなかったもの

替えたのは、タイヤとチェーンくらいです。タイヤは何度か替えました。
そしてバーテープは、16年間一度も替えていません。上の写真がその実物です。日本橋の写真にも、お台場の写真にも、同じ白いテープが写っています。2011年に東京まで走ったときのテープを、そのまま使い続けてきたことになります。
さすがに、そろそろ限界だろうと思っていました。
コンポーネントはシマノの105。当時としてはしっかりした構成で、これも16年ずっとそのままです。
16年目に壊れたのは、フレームではなかった

2026年の春、飛行機輪行の帰りにリアまわりが壊れていました。フレームは無事でした。
そのとき部品がすぐには手に入らず、行きつけの自転車屋さんが名古屋から取り寄せてくれました。「変速の規格が変わってきているので、この年式の部品は在庫が少ない」とのことでした。
16年乗ってはっきり分かったのは、これです。
フレームより先に、部品のほうが手に入りにくくなる。
このときの顛末は、別の記事に詳しく書いています。
【輪行の失敗談】ディレイラーハンガーが折れていた|修理費8,400円で学んだ空港確認とガードの重要性
16年もった理由は、たぶん置き場所

なぜ16年もったのか。整備を頑張ったわけではありません。思い当たるのは、置き場所です。
車庫の天井近く、梁にフックを取り付けて吊るしています。

こうしておくと、いいことが3つあります。
- 雨にも雪にも当たらない(札幌の冬を16回越えました)
- タイヤに荷重がかかり続けない(床に置きっぱなしにしない)
- 場所を取らない(車庫の下のスペースがそのまま使える)
白いバーテープが16年きれいなままだったのも、たぶんこれのおかげです。外に置いていたら、こうはならなかったと思います。
私が使っているフックは、もう商品名が分からないくらい前に買ったものです。梁や柱にねじ込むタイプで、自転車が傷つかないようにスポンジが巻いてあります。
いちばん変わったのは、自転車ではなく「規格」だった
16年経って、GIANTのラインナップを見に行って驚きました。
「アルミのTCR」は、もう売っていません。
TCRという名前はカーボン専用になり、アルミのロードバイクは「Contend(コンテンド)」という別のシリーズに分かれていました。現行のロードバイク37モデルのうち、アルミはわずか5本です。
価格を並べると、こうなります(2026年9月時点・税込)。
| モデル | 価格 |
|---|---|
| 私のTCR(2010年・アルミ) | ¥168,000(税抜160,000) |
| Contend AR(アルミ) | ¥169,400 |
| Contend(アルミ・リムブレーキ) | ¥119,900〜 |
| TCR Advanced(カーボン) | ¥275,000〜 |
同じ価格帯のアルミロードは、いまも16万円台で買えます。値上がりしたのは価格そのものではなく、「TCRという名前を買うコスト」のほうでした。
ただ、ひとつだけ生き残っているものがあります。私のフレームには「ALUXX SL 6000 SERIES BUTTED TUBING」と刻まれているのですが、現行のContend SLも、同じ「ALUXX SL」を使っています。
車名は変わっても、素材の名前は16年後も残っていました。
で、ロードバイクは何年乗れるのか
16年乗った私の答えは、これです。
フレームは、たぶんもっと持つ。先に終わるのは部品の供給のほう。
そして、もうひとつ。
相談できる自転車屋さんがある人ほど、長く乗れる。
名古屋から部品を取り寄せてくれる店がなければ、私のTCRは16年目で終わっていたかもしれません。ネットで買って終わりだと、この道がありません。
中古のロードバイクについて(私の考え)
新車の価格が上がっているので、中古を考える人もいると思います。
先に書いておくと、私は中古を買ったことがありません。フリマアプリを少し見たことがある程度です。なので、ここから先はあくまで私見です。
そのうえで、16年乗ってきた立場から言えることが3つあります。
1. ロードバイクは、それだけ長く使える乗り物です。
16年乗っていまも走れるのですから、状態のいい個体なら中古でも十分に楽しめると思います。
2. ただし、あまり古い年式は部品で苦労します。
私が身をもって知ったとおりです。「安いから古いもの」ではなく、部品がまだ流通している世代を選ぶほうがいいと思います。
3. サイズだけは妥協しないほうがいいです。
私は椎間板ヘルニアで入院した経験があり、合わない乗り方をすると腰に来ることを知っています。中古はサイズの選択肢が少ないので、ここだけは安さと引き換えにしないほうがいいと思います。
ロードバイクの腰痛が減った「サドルの高さ」と「体重配分」の話|あくまで私の実体験
そして、買うときも買ったあとも相談できるお店を見つけておくこと。これがいちばん効くと思います。
おわりに
「丈夫さ2、快適性1」と書かれた自転車で、札幌から東京まで走りました。16年経って、同じ自転車でまだ走っています。
カタログの数字は、乗り続けた時間の前ではあまり意味がないのかもしれません。
そのバーテープを、16年ぶりに替えることにしました。近いうちに、行きつけの自転車屋さんへ持っていきます。
追記:16年目のバーテープを替えます(2026年9月22日)

行きつけの自転車屋さんへ持っていきました。そこで言われたのが、これです。
「これはまだまだ交換しなくても大丈夫だよ」
みなさん、切れてボロボロになってから替えるのだそうです。16年替えていないと言えば驚かれるかと思っていたのですが、プロから見ればまだ現役の範囲でした。
「そろそろ限界だと思う」という私の見立ては、外れていたことになります。
ただ、このブログに「替えます」と書いてしまった手前、替えることにしました。

白いテープの在庫がなかったので、届き次第の交換です。しばらく預けることになりました。1週間ほど、入院です。
あわせて、ディレイラーガードも付けてもらうことにしました。春に輪行でリアまわりを壊したとき、「次は必ず付けよう」と書いたきり、そのままになっていたものです。ようやく、あの失敗を片づけられます。
【輪行の失敗談】ディレイラーハンガーが折れていた|修理費8,400円で学んだ空港確認とガードの重要性
16年ぶりの白いテープが、どんな顔になって帰ってくるのか。楽しみにしています。




コメント