岩内・荒井記念美術館でピカソの版画267点と向き合った翌日。次の目的地はニセコのチセヌプリです。その前夜は泊村の海岸で車中泊をしました。
泊村の無人海岸で車中泊
岩内から車を走らせ、泊村の海岸沿いに差し掛かったとき、ちょうどよい平地を見つけて車を停めました。キャンプ場でも駐車場でもない、誰もいない静かな海岸です。

夕陽が海面を染め始めた頃、焚き火の準備をしました。流木を拾い集め、火を起こして簡単な食事を作ります。


周りには誰もいません。波の音と焚き火の音だけ。北海道の広さをひとり占めしているような、贅沢な夜でした。

夜明けとともに目が覚めると、海の向こうに山の稜線が浮かび上がっていました。雲ひとつない空。今日は登山日和です。
チセヌプリ登山〜北口から雲海へ
チセヌプリ(1,134m)はニセコ連峰のひとつ。北口の登山口に車を停め、いよいよ出発です。
登り始めて最初に心配になったのは熊です。北海道の山には熊がいる。そう思いながら歩いていると、次第に人の気配が増えてきました。筍取りをされている方々です。彼らは熊との鉢合わせを避けるために拡声器のサイレンを鳴らしながら山の中を歩いていました。そのおかげで私も安心して登ることができました。

登るにつれ、眼下に白い雲が広がり始めました。雲海です。

山々の頂だけが雲の海から顔を出しています。こんな景色を見たのははじめてでした。

稜線の向こうには、円錐形の美しいシルエット。羊蹄山です。雲海の上にぽっかりと浮かんでいる姿は、まるで水墨画のようでした。


頂上に到達。標識には「チセヌプリ頂上」の文字。疲れよりも達成感と、この景色への感謝が先に来ました。
チセヌプリ登山の基本情報
体験記だけでなく、これから登る方に向けて基本情報をまとめておきます。
| 標高 | 1,134m |
| 山系 | ニセコ連峰(東部) |
| 主な登山口 | 北口(ニセコパノラマライン沿い)/五色温泉側 |
| コースタイム(北口) | 登り約1時間・下り約40分(標高差約300m) |
| 駐車場 | 北口登山口に無料スペースあり(台数少なめ) |
| トイレ | 登山口になし(五色温泉・神仙沼レストハウス等で) |
| ベストシーズン | 6月〜10月(雲海・紅葉は秋がおすすめ) |
アクセスと駐車場
登山口の北口は、ニセコと岩内を結ぶ「ニセコパノラマライン(道道66号)」沿いにあります。無料の駐車スペースがありますが台数は多くないので、雲海を狙うなら早朝の到着が安心です。なお、パノラマラインは冬期間(11月頃〜4月頃)通行止めになるため、登山シーズンは初夏〜秋が中心になります。
登山の注意点と持ち物
- 熊対策:ニセコ連峰はヒグマの生息域です。熊鈴やラジオ、熊スプレーで音と存在を知らせながら歩きましょう。私が登った日は、筍取りの方々がサイレンを鳴らしていて心強く感じました。
- 服装・装備:標高差は小さいですが、山頂は風が強く冷えます。防風・防寒の上着、飲み物、行動食を用意しましょう。足元は滑りにくいトレッキングシューズが安心です。
- 雲海を見るには:雲海は、前夜との気温差が大きく風の弱い早朝に発生しやすい現象です。放射冷却が起こりやすい秋の朝は特にチャンス。確実ではありませんが、早朝の登山ほど出会える可能性が高まります。
下山後は五色温泉へ
下山してそのまま向かったのがニセコ五色温泉です。チセヌプリの登山口からも近く、登山の締めくくりにぴったりの場所です。


建物の後ろにはチセヌプリの山肌が見えます。さっきまであそこにいたのかと思うと、不思議な感覚です。温泉につかりながら登ってきた山を眺める。これが山登りの醍醐味のひとつだと思います。
入浴料は1,000円です(2026年6月現在)。券売機での購入で、PayPayなどのキャッシュレス決済にも対応しています。トイレ利用は別途100円がかかります。
露天風呂からはアンヌプリとイワオヌプリの雄大な山々を眺めながら入浴できます。登った山を湯船から眺める贅沢な時間でした。なお、館内は写真撮影禁止です。
まとめ
泊村の無人海岸で焚き火をして眠り、翌朝チセヌプリに登って雲海を見て、五色温泉で体を癒す。北海道らしいぜいたくな旅の1ページでした。
この旅はピカソを追いかけて岩内の荒井記念美術館へ行く旅の続きです。




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