スマホの写真フォルダに、「ビアガーデン」という名前のアルバムがあります。
開くと出てくるのは、ビアガーデンの写真——ではありません。公園のベンチ、大きな木の下、川辺、夕暮れの並木道。いろいろな場所で、缶ビールを片手に撮った写真たちです。
あの頃の私は、天気のいい日に公園や川辺で飲む缶ビールを「ビアガーデン」と呼んでいました。お金はかからないし、景色は最高。緑の下で飲むビールは、たしかに、どこのビアガーデンよりも美味しかったのです。






信じられない気持ち
断酒して3年が経った今、このアルバムを見返して、不思議な気持ちになりました。
こんなにも楽しそうにビールを飲んでいた自分が、お酒をやめたなんて。写真の中の私は、心からこの時間を楽しんでいます。演技でも強がりでもなく、本当に幸せそうなのです。
それなのに、今の私はお酒を飲みたいと思わない。まるで生まれ変わったような気持ちです。
あれは、なんだったんだろう
あんなに好きだったのに、どうして平気でやめられたんだろう。あの楽しさは、なんだったんだろう。
振り返っても、答えは浮かびません。
以前の記事に書いたように、ヘルニアでの入院などのきっかけはあります。でも「きっかけ」は説明できても、「あんなに楽しかったものを、今はまったく欲しいと思わない」という心境の変化は、自分でもうまく説明できないのです。
ただ、無理に答えを出さなくてもいいのかな、とも思っています。
あの時間を、否定はしない
ひとつだけ、はっきり言えることがあります。
写真の中の時間が本物だったことは、否定しません。緑の下のビールは美味しかったし、川の音を聞きながらの一杯は最高でした。あの日々があったから、「外で過ごす時間の気持ちよさ」を知ったのだとも思います。
あれも私。今も私。どちらかが間違いだったわけではなくて、ただ、人生の章が変わったのだと思います。
今なら、炭酸水を片手に
もし今、あの「ビアガーデン」に行くなら。
同じベンチに座って、炭酸水を片手に、本を読んでいるかもしれません。木漏れ日の気持ちよさは、あの頃と何も変わらないはずです。
むしろ、帰り道に車を運転できて、夜はぐっすり眠れて、翌朝は気持ちよく目が覚める。「ビアガーデン」は閉店しましたが、あの特等席は、今も私のものです。
断酒3年の記録
断酒3年間で起きた変化(体・心・家族・お金)については、こちらの記事に詳しくまとめています。




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