ピカソを追いかけて#3|北海道・岩内荒井記念美術館〜日本最大267点の版画コレクション

アート
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「ピカソを追いかけて」シリーズ、第3弾です。

#1は輪行で行く関東アートめぐり#2は熱海・山口美術館のピカソ陶芸に続き、今回は北海道。自家用車で岩内町まで向かいました。目的地は、日本最大のピカソ版画コレクションを誇る荒井記念美術館です。

荒井記念美術館とは

北海道岩内郡岩内町野束505、いわない高原ホテルの敷地内にある荒井記念美術館は、ピカソの版画267点を所蔵する日本最大規模のピカソ専門美術館です。緑に囲まれた静かな環境の中に建ち、ピカソの初期から晩年まで時代ごとに展示されています。ひとりの芸術家の長い変遷をじっくりと辿ることができます。

入館料1,000円(クーポン利用で100円引き)
開館期間4月23日〜11月15日(冬期間閉館)
開館時間9:00〜12:30 / 13:30〜17:00
休館日月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
所在地〒045-0024 北海道岩内郡岩内町野束505(いわない高原ホテル敷地内)

美術館への道〜アートは外から始まっていた

美術館への歩道に描かれたPICASSO石の案内と路面カラーアート

美術館へ向かう歩道を歩いていると、ふと足元に気づきます。路面に描かれた「PICASSO」の文字と、カラフルな花のようなモチーフ。矢印の代わりにアートで道案内するという、なんともユニークな仕掛けです。建物に入る前から、すでにピカソの世界に引き込まれていく感覚がありました。

版画267点〜ピカソの生涯を歩く

館内に飾られた赤い筆記体のPicassoロゴサイン

館内に入ってまず目を引くのが、コンクリートの壁に浮かぶ赤い筆記体の「Picasso」のロゴ。美術館らしい重厚さの中に、どこか遊び心があります。

ENTRANCEエリアに並ぶピカソの版画作品群

展示はENTRANCEから時代順に並んでおり、初期の習作から、キュビズム期の解体された形、晩年の自由な線まで、ピカソという人物の長い旅を一緒に歩いているような感覚になります。

ピカソが陶芸に取り組む晩年の白黒写真

版画に加え、ピカソ本人が陶芸に取り組む白黒写真も展示されていました。90歳近くまで創作を続けた晩年の姿。集中した眼差しが印象的です。

印象に残った3点

① グラン・パレ展ポスター〜若き日のピカソの顔

1979年グラン・パレ ピカソ展ポスター(青の時代)

1979年から1980年にかけてパリのグラン・パレで開催されたピカソ展のポスターです。青を基調とした肖像画に描かれているのは、まだ若い頃のピカソ。晩年のひょうきんなイメージとはまったく異なり、張り詰めた鋭い空気をまとっています。

「この人が、本当に同じピカソ?」

思わず立ち止まり、しばらく見入ってしまいました。

② 鳩の版画〜娘パロマへの愛

ピカソの鳩の版画

細い線でシンプルに描かれた鳩の版画。スペイン語で「パロマ(Paloma)」は鳩を意味し、ピカソの娘の名前でもあります。ピカソは生涯にわたって鳩をモチーフにした作品を多く残しました。幸せの象徴である鳩に、娘への愛と平和への願いが重なって見えます。

③ 歩道のPICASSO案内〜館外のアート

最後の一点は版画ではありません。美術館へ至る歩道です。路面に描かれたPICASSO文字とカラフルなアート。アートを特別な場所に閉じ込めず、日常の中に解き放つ。そんな思想がこの歩道に宿っているように感じました。

訪問を終えて

日本最大規模のコレクションとはいえ、岩内町は北海道の中でも決してアクセスが良い場所ではありません。それでも足を運ぶ価値のある美術館でした。版画267点を前に、ピカソという人物の底知れない創作欲と長い生涯に、改めて圧倒されました。

荒井記念美術館を後にした私はそのまま泊村の無人海岸で車中泊し、翌日はチセヌプリに登って雲海を眺め、ニセコ五色温泉で体を温めて帰宅しました。その続きは次の記事で。

「ピカソを追いかけて」シリーズ

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